個人情報保護・債権回収の法律ガイド



個人情報の漏洩や安全管理

個人情報の漏洩や安全管理について

個人情報に関する法律では、事業者は個人データの安全管理のために必要な措置を講ずることになっています。

必要かつ適切な措置

事業者によって、必要かつ適切な措置というのは異なりますが、組織的、人的、物理的、技術的な要素について安全管理措置がとられている必要があります。

安全管理のためには、どの部門で、どのような個人データを、何のために、どのような方法で取り扱っているかを把握し、問題点、改善点などを情報の取得、入力、利用、保存、提供、廃棄といった一連の流れに沿って検証することが必要です。

さらに、何が必要で適切な措置なのかは、取り扱う個人データの内容や量、データの媒体、取扱いの態様や関与する人の多寡によって異なりますので、リスクに応じて必要かつ適切な措置をとらなければなりません。

消費者信用産業における安全管理措置

消費者信用産業における、事業者が取り扱う個人データの件数は、一般的にも大量です。

また、データの内容も、氏名や住所などの基礎的な属性データだけではなく、契約情報や取引履歴、支払能力、延滞に関する事実など幅広く、また一般に公開されない情報も多く含まれています。

さらに、これらは、コンピュータによるデジタルデータとして保有されることが通常ですので、消費者信用産業における事業者の場合には、特に高度な安全管理措置が求められるのです。

金融庁事務ガイドラインには、物理的安全管理措置についての具体的な規定は、他の要素に含まれているためありません。

しかしながら、経産省信用分野ガイドラインでは、安全管理措置は、組織的、人的、技術的、物理的な各要素についてとられていなければならないとされています。

組織的安全管理措置

組織的安全管理措置では、まず安全管理に対応した責任者の設置や組織体制の整備、安全管理措置を内容とする規程等の整備、これに従った運用、これらの実施状況等の確認検証とその結果にもとづいた改善などが求められることになります。

もし、事故がおきてしまった場合には、再発防止のための原因究明と対策を講じます。

そして、二次的被害の防止などのために、その事故に関する個人データの本人への通知と説明を行い、事故の発生と内容について公表します。

人的安全管理措置

人的安全管理措置については、次のようなことが必要です。

■従業員等に研修などを行なうこと
■個人データの取扱いに関する契約の締結などによって目的外利用や開示の禁止を義務づけること
■違反には、懲戒等の処分を行うこと

物理的・技術的安全管理措置

物理的・技術的安全管理措置については、物理的に個人データを保護することや、技術的に必要な措置を講じるために、次のようなことが必要です。

■データルームへの入退室管理や媒体の施錠管理など
■システムのアクセスの制御
■不正ソフトウェア対策
■システムの監視と記録など

従業員や委託先の監督

従業員の監督
・・・安全管理措置に関する規程等の遵守状況について、随時モニタリングを行う。

委託先の監督
・・・委託者や受託者の責任の明確化、受託者に義務づけられる安全管理措置の具体的内容、委託者の質問・調査権限などを契約で規定したり、事故の際の責任の分担や損害賠償義務などを規定する。

関連トピック
個人データを第三者に提供する場合について

原則として、個人情報取扱事業者は、本人の同意を得ないで第三者に個人データを提供してはいけないことになっています。

個人データの第三者への提供の制限

原則として、個人情報取扱事業者は、本人の同意を得ないで第三者に個人データを提供してはいけないことになっています。

この場合の第三者に個人データが提供されるという意味ですが、これは個人データが第三者の利用可能な状態に置かれるということです。

なので、第三者が実際に利用したか否かは関係ありません。

ちなみに、個人データは、個人情報データベース等を構成する個人情報のことなので、その状態は問われません。

わかりやすくいうと、デジタルデータはもちろんですが、データベース等から出力され印字されたものも個人データに該当するということです。

例外

例外的に、個人データの第三者への提供が認められる場合があります。

具体的には、次のいずれかに該当するような場合です。

これは、個人データに対する本人の権利の利益よりも、公共の利益やたの権利利益のほうが上回るからです。

■法令にもとづく場合

■人の生命、身体、財産の保護のために必要がある場合で、本人の同意を得るのが難しい場合

■公衆衛生の向上や児童の健全な育成の推進のために特に必要な場合で、本人の同意を得るのが難しい場合

■国の機関もしくは地方公共団体またはその委託を受けた者が、法令の定める事務を遂行することに対して協力する必要がある場合で、本人の同意を得ることにより、その事務の遂行に支障を及ぼすおそれがあるとき

オプトアウト方式

オプトアウト方式とは、次の事項をあらかじめ本人に通知したり、本人が容易に知りうる状態に置いているときには、前もって本人の同意がなくても、その個人データを第三者に提供することができる方式のことをいいます。

■第三者への提供を利用目的とすること
■第三者に提供される個人データの項目
■第三者への提供の手段や方法
■本人の求めに応じて、その本人が識別される個人データの第三者への提供を停止すること

第三者にあたらない場合について

次の人は第三者への提供制限にいう第三者にあたらないものとされています。

よって、個人データをこれらの人に移転したとしても、本人の同意はいりません。

■利用目的の達成に必要な範囲内において個人データの取扱いを委託する場合の、その受託者
■合併その他の事業承継の場合の事業承継者
■個人データを特定の者との間で共同利用しており、共同利用の旨、共同利用される個人データの項目、共同利用者の範囲、利用する者の利用目的、その個人データの管理責任者の氏名等について、あらかじめ知りうる状態に置いている場合の共同利用者


個人情報保護法とセンシティブ情報
与信取引と利用目的の同意
個人情報保護法の対象になる事業者
個人データを第三者に提供する場合
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個人情報保護法上の個人情報の利用目的の通知・公表
個人情報保護法の利用目的の特徴
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不動産の差押え
差押えができる債権

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拠点都市整備法
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直接還元法とDCF法
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明渡裁決
地価公示
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