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保証人と連帯保証人の違い

保証人と連帯保証人の違いについて

連帯保証は、保証と違い、補充性がないこと、履行請求の効果が主債務者にも及ぶこと、分別の利益がないことなどから、債権者にとっては保証より強力な人的担保になるのです。

保証について

保証とは、主債務者の債務を担保するために、保証人と債権者とで締結される保証契約によって生じる法律関係のことです。

保証契約については、平成16年12月の民法改正によって、書面でしなければ効力が生じないことになりました。

保証債務とは、この保証契約にもとづいて保証人が負う債務のことをいいます。この保証債務には、附従性、随伴性、補充性の3つの性質があります。

保証債務の性質について

附従性について
保証債務は、その成立・内容・消滅において、主債務に附従します。つまり、保証債務には、原則として、主債務がなければ成立せず、主債務より重くなることもない、また主債務が消滅すればそれに伴って消滅するという性質があるのです。

随伴性について
随伴性とは、主債務の債権者が債権譲渡などによって変更されると、保証債務も同じように譲受債権者に移転することをいいます。

補充制について
補充制とは、保証債務が二次的な債務にすぎないということです。補充制は、保証人が催告の抗弁権※1と検索の抗弁権※2の2つの抗弁権をもっています。

※1催告の抗弁権・・・まず、主債務者に請求せよという抗弁権のことです。
※2検索の抗弁権・・・まず、主債務者の財産に執行せよという抗弁権のことです。

保証と連帯保証の違いについて

連帯保証は、保証に比べて、補充制、連帯性、分別の利益という点で、連帯保証のほうが強力な人的担保になっています。

補充制
たとえ、上記の催告の抗弁権が行使されたとしても、債権者は単に主債務者に催告すればよいだけですので、一般的にはそれほど負担にはなりません。

しかしながら、保証人が検索の抗弁権を行使した場合には、債権者はわざわざ主債務者の財産に先に執行しなければならない場合がありますので、債権者にとってはかなりの負担になります。

よって、連帯保証によって、催告の抗弁権が排除できることは、債権者にとっては非常に有利なのです。

連帯性
連帯保証には、連帯債務の規定が準用されます。通常の場合、請求などの事由が、一人の連帯債務者に対して生じていたものが、他の連帯債務者にも効果が生じることになっています。

よって、債権者が連帯保証人に履行の請求をすれば、それは主債務者にも及ぶことになります。このことは、債権者が連帯保証人に対して請求することで、主債務者の消滅時効を中断することができることを意味しています。

他方、単独保証のほうですが、こちらは連帯性ではありませんので、債権者が保証人に請求しただけでは、主債務者の債務の時効は中断されません。主債務者の時効を中断させるためには、債権者は主債務者にも請求する必要があるのです。

こういう点からみても、連帯保証のほうが、債権者にとっては有利であることがわかると思います。

分別の利益
単純保証の場合に共同保証しているような場合は、各共同保証人の債務の額は、保証人の人数に応じて分割されます。

これは、債権者が各保証人に分割された保証債務の額までしか請求できないことを意味しています。

ということは、債権者は、とても煩雑な事務処理をしなければならないうえ、ある保証人が無資力になったときには、その分を他の保証人から回収できないことになります。

これが、連帯保証ですと、債権者は複数の連帯保証人の各人に対して、保証債務の全額の請求ができるのです。

これなら、保証人の数だけ無資力の危険を分散することができるわけですから、債権者にとってはとても有利です。

よって、債権者にとっては、単独保証で保証人が複数いる場合には、かえって不利になってしまいますが、連帯保証の場合には、保証人の数が多ければ多いほどそれが有利にはたらくことになるのです。

ちなみに、契約書上は、保証文言中に「本人と連帯して」という記載があれば、連帯保証とされます。

関連トピック
電話での保証人の確認について

電話による確認だと効力が認められないということはありませんが、原則としては、直接保証人と面談すると考えた方がよいでしょう。

面談が困難な場合は、例外として、郵送による照会方法をとるとしても、電話のみによる確認については避けるべきで、あくまでも補助的手段と考えた方がよいと思われます。

保証契約について

保証契約は、債権者と保証人との間で締結される契約のことです。

ですから、両者にどのような債権債務があるのかということについて合意がなくてはなりません。

また、平成16年12月の民法改正で、保証契約は、書面でしなければ効力を生じないいうことになりましたので、保証契約は、合意だけでなく、合意を書面化することで成立することになります。

ただし、合意については、通常の契約の場合と同じですので、保証意思の確認手続きを経ることが必要なわけではありません。

保証契約の問題

保証は、次の点で特殊性があります。

■主債務者が存在する
■他人の債務を保証する

このような特殊性ゆえに、本来、債権者と保証人の間で締結されるはずの保証契約に、主債務者が代理人などの形で関与することが多々あります。

こうなると、保証人に保証契約の締結の事実や、具体的な保証債務の内容の認識がないというケースが起こりやすいのです。

また、保証人には保証債務の認識があったとしても、実際に保証債務を支払うことは予想していなかったということも多いです。

こういった場合は、請求された段階になってから、支払を拒むケースも発生しやすいです。

こういうのを「保証否認」といいますが、実際の現場では、非常に多く発生する紛争形態の一つになっています。

よって、こういった問題を未然に防ぐ、あるいは後日トラブルになった際に保証否認をさせないために、業者はしっかり保証意思の確認をするわけですね。

何しろ、保証否認をされて裁判になってしまった場合は、敗訴して回収不能になることもありますし、勝訴したとしても時間や労力には相当なものがありますから。

面談による意思確認について

保証意思の確認は、保証人と直接面談することが大原則になっていますが、これは、次のように行なわれます。

■本人確認書類等が要求され、面談の相手が保証人本人であるかどうかが確認されます。
・・・これは、他人によるなりすましを防止するために行なわれます。
           ↓
■保証契約書に保証人自身が署名捺印します。
・・・これは、後々、筆跡が異なることを理由とした保証否認がされないように行なわれます。
           ↓
■印鑑登録証明書の提出を求められ、それと契約書の印影とが照合されます。
・・・自己の印章でない押印であるという理由で保証否認がされないように行なわれます。

郵送による意思確認について

やむを得ない理由があって、直接面談できないような場合には、電話で照会した後、往復はがきで回答書が郵送され、回答書が返信され次第融資が実行されます。

この方法ですと、面前での自署でないために、筆跡が異なることを理由とした保証否認が防止できないので、業者にとってはややリスクがあります。

当然、融資を実行後に通知書等を郵送する方法では、保証否認防止には十分ではありません。

電話による意思確認について

例外的に電話による意思確認が行なわれる場合には、本人でなければ知りえないことを聴取するなどして、本人であることが確認されます。

また、「はい、はい」と答えられる質問だけでなく、本人が積極的に保証債務額を申告するような質問もされるでしょう。

こうした、電話照会の場合には、発信、受信の日時や対応者の名前、電話の内容等が、通常記録されています。


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