個人情報保護・債権回収の法律ガイド



外国人の契約

外国人の契約について

外国人の滞在資格・滞在期間などから定住性の確認が行なわれたり、定収入があるかどうかを公平に判断しています。

外国人との契約の問題点

通常、日本人の場合でしたら、契約の際には、申込者の住居状況、勤務先等の属性情報、クレジット・ヒストリーなどの情報によって判断できます。

しかしながら、日本にいらした外国人の場合には、いくつかの問題があります。たとえば、次のようなものです。

■日本語を理解できるかどうか
■約款や規約を理解できるかどうか
■信用情報機関の登録情報はあるのかどうか
■生活の本拠が海外にある場合、債権管理などに困難が生じるのではないか

・・・などです。これらは、与信上の課題ですので、こういったことを考慮して与信判断を行なうことは違法ではありません。

ただし、こういった事情とは関係なく、単に外国人だからということで契約を拒否することは差別になりますし、場合によっては公序良俗に反して違法になることも考えられますので、日本人と同様の基準で審査が行なわれなくてはなりません。

定住と定収性について

外国人といっても、公平に判断しなくてはなりませんので、次のようなポイントを確認して、審査基準に合致するかを判断しています。

■外国人登録証や登録済証明書によって本人確認と定住性を確認する
■勤務先の在籍確認と地位などの定収性の確認をする
■日本語での連絡や約款等の理解が困難な場合は、日本語の通じる代理人や連帯保証人の有無の確認をする

この場合、滞在期間や滞在目的は特によくみられますので、短期間の滞留資格で更新の可能性が低い場合や、就労できない滞留資格の場合には、契約できない可能性が高いです。

本人確認について

キャッシング機能付クレジットカードの申し込みの際には、上記のものだけではなく、本人確認法※の要件を満たさなくてはなりません。本人確認法上は、外国人登録証や登録済証明書で本人確認することが必要です。

しかしながら、この書類で本人確認ができない場合には、申込者の氏名、住居と生年月日の記載のある在日大使館、領事館などの発行する証明書で本人確認がされることになります。

※本人確認法・・・金融機関等による顧客等の本人確認等及び預金口座等の不正な利用の防止に関する法律のことです。

関連トピック
未成年者の契約について

未成年との契約においては、主に法定代理人の同意と未成年者の契約意思確認を得られるかどうかをみています。これは、後に取り消されることで、代金の請求ができなくなるからです。

未成年者ができる法律行為について

満20歳未満であっても、次のような法律行為は単独でできます。

■単に権利を得るまたは義務を免れる行為
・・・具体的には、負担のかからない単なる贈与や債務の免除を受ける行為などのことです。

■処分を許された財産の随意処分
・・・お小遣いのように、あらかじめ処分することを許された財産を処分することです。

■営業を許された未成年者の営業に関する取引

■未成年者が結婚した場合のその後の法律行為
・・・未成年者でも、結婚したら成人とみなされます。

未成年者の契約と取り消しについて

詐欺行為にあたるような場合には、いくら未成年者だからといっても取消はできません。

これは、未成年者が契約に際して、自分が未成年者であることを偽ったり、法定代理人の同意を得たと欺いたりしたときです。相手を誤信させてまで取引しようとする未成年者を保護する理由はないですから、当然ですね。

法定代理人の同意が必要な理由

民法の規定によって、未成年者は行為能力が制限されています。これにより、契約の際には、法定代理人の同意が必要になるのです。

法定代理人には、通常は両親など親権者または後見人がなります。また、親権者が両親のときは、原則として同意は共同で行なうことになっています。

行為能力について

行為能力とは、契約の申込みや承諾などの法律行為をする能力のことです。

行為能力が制限されている理由

未成年者の場合は、十分な判断能力をもちあわせていないことが多いですし、また保護が必要だからです。

他方、十分な判断能力があるかどうかを個別に判断して取引するかどうかを決定するのでは、取引の安全が害されてしまいます。

よって、取引において、的確な判断能力が備わっていないと、業者側が不利益を受けることがあるので、法定代理人をつけて保護することになっているのです。

法定代理人の同意のない契約と取り消しについて

法定代理人の同意のない契約は、取り消されてしまうことがあります。

したがって、業者は、公的証明による確認をすることはもちろん、法定代理人への同意確認を必ずしているでしょう。

契約が取り消されると、その契約は、はじめからなかったものとなります。

ですから、クレジット代金債権や貸金債権なども存在しないことになりますので、請求ができないことになります。

契約が取り消された場合、未成年者がすでにクレジットカードで商品を買ったり、金銭を借りてしまった場合について

その場合については、未成年者が、そのまま商品や金銭を持ち続けてよいという法律はありませんから、原則としては、業者は返還を請求することができます。

ただし、一方で未成年者保護のため、返還請求の範囲は、現に利益の存する限度とされています。

つまり、未成年者が浪費してしまったような場合は、未成年者は返還の義務を負いません。これは、業者側には厳しいものですね。

連帯保証人をとる場合、未成年者も連帯責任を負うのかについて

連帯保証人をとる場合ですが、この場合は連帯といっても、未成年者と知って契約したのであれば、連帯保証人は未成年者と連帯責任ということではなく、単独で債務を負担したものと推定されることになります。


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契約の名義を旧姓や通称名にできるか
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